昼下がりの午後

いつものように大きな門をくぐり、新緑の薫る中庭を抜け、

白い瀟洒な階段を上る。

ここのところ、ベイリー氏とはチェスの試合を引き分けている。

今日は勝ちたいところだが…。

 

「お待ちしておりました。お入りください。」

呼び鈴を鳴らすと、実直そうな、よく通る執事頭の声が返ってきた。

 

ベイリー氏は本を読みつつ、眼鏡をくいと持ち上げる。

この人なりのあいさつの仕方だ。

傍らには孫娘のアリスが自慢の子猫を見せたそうにしている。

 

「お茶の用意はできております。どうぞ、こちらに。」

「いらっしゃいませ。エヴァレット様。今日もいいお天気ですね。」

出迎えてくれる彼女たちの笑顔に、

思わず顔がほころんだ。